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ソフトバンク 城所龍磨外野手・若い力との“差”を見せつける

 


 コアなファンを残すのみとなったキャンプ地で、静かに闘争心を燃やしていた。主力のA組(一軍)が2月28日に打ち上げた後も、宮崎に残って練習を続けていた若手、リハビリ主体のB組(二軍)が3月2日、春季キャンプを打ち上げた。手締めのあいさつに臨んだのはプロ14年目、城所龍磨

「これから厳しい戦いが始まる。1年間、悩んだり、苦しんだり、壁にぶつかることもあると思いますが、覚悟をもって戦っていきたい」

 ソフトバンクの『春男』と言えばこの男を置いてほかにはいない。キャンプ中の実戦や、その後のオープン戦で打ちまくり、2007年のオープン戦では打率.481という数字を残したこともある。だが、決まって急失速し、定位置確保どころか一軍生き残りもかなわない。それが長く続いた。

 一転、昨季は5月末から先発出場の機会を増やし、交流戦で12球団トップの打率.415。一昨年までプロ12年で1本塁打だった男が、交流戦だけで満塁弾を含む5発を放った。もっとも、交流戦後に打棒が急降下。

「長続きするように。息切れしないよう」

 レギュラーの目標は分不相応と自覚。「スタメンを狙っていく」と話す。

 春季キャンプでは多くの後輩がA組に呼ばれ、アピール機会を与えられた。同じ能力なら若いほう。この世界で何年も飯を食い、そんなことは分かっている。ならば差を見せるしかない。季節に関わらず、いつ呼ばれてもいいように備えるのが、現状での生きる道だ。
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