持ち前のパワーを生かし、オープン戦で存在感を示しているのが
井上晴哉だ。3月8日の
阪神戦[甲子園]では左腕の島本から「オープン戦第1号」。伊東監督に「左投手のときは、今の感じだと頭から出られるかな。長打には魅力がある」と認めさせた。
一方で、指揮官は悩ましげだった。
「長続きしてくれないんだよ」
プロ1年目の2014年にはオープン戦から好調をアピールし、球団では64年ぶりの新人開幕四番を勝ち取ったが、成績は低迷。5月に入ると二軍落ちとなった。昨季の
日本ハムとの開幕戦では「六番・DH」に座り、初回に大谷から2点適時二塁打を放って勝利に貢献すると、お立ち台にも上った。最高の船出だったが、打撃不振によりわずか18試合の出場で4月25日に二軍落ち。年間を通しての活躍ができていないのが現状だ。伊東監督も「いつも20試合くらいだけ。あと10試合くらい多くもってくれないかな」と、低めのハードルを設定して奮起を促している。
もちろん、井上自身もこのままで終わるつもりはない。「レギュラーにならないと、結果を残さないと、という思いから(自分を)抑えることを知らなかった。4月後半からバテている」と原因を分析。4年目を迎え、もう同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。「やらないといけないという使命感があるし、やらなければと思ってしまう危機感がある」と表情を引き締める“アジャ”。そのバットに今年こそ1年間、期待を抱き続けたい。