「“2年目”の正直」なるか。
横尾俊建が打ちまくっている。オープン戦は3月22日の
巨人戦(伊勢)まで17試合に出場して打率.360。無安打に終わったのは5試合。本塁打こそないが、希少な右の長距離砲として猛アピールを続けている。
「練習どおりのバッティングができている」
手応えを積み重ねている。
ルーキーイヤーの昨季は開幕一軍キップを手にした。意気揚々とプロ生活を船出したが、10試合を消化した時点で降格。再昇格後にプロ初安打は放ったが、終わってみれば2安打のみ。大半を二軍で過ごした。
「自分なりに考えた」
一軍に定着するための方法論、必要な取り組みを考え、徹底的にオフの自主トレで実行した。
多くの若手が二軍本拠地の千葉・鎌ケ谷を拠点にする中で、あえて母校の慶大で鍛錬を重ねた。チームメートとの接触は極力封印。とことん集中できる環境を自ら作り出し、持ち味の打撃を磨き続けた。思考やトレーニングの変化は、実戦の中で結果として形を表した。栗山監督も「あの感じなら一軍で十分通用する」と成長を認めた。
中田や
レアードがWBCに参加したことも追い風になった。レギュラーが不在の一塁、三塁を守ることで、オープン戦での出場機会を得た。増えたチャンスを有効に生かして自分の居場所を確立しようとしている。
「少しでも一軍の力になれるように」
勝負の2年目。覚醒前夜の和製大砲が、満を持して2017年シーズンに臨む。