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日本ハム 中田翔内野手・プロ10年目に挑む主砲

 


 時の流れは早い。中田翔が10年目のシーズンを迎えた。

「僕にとって勝負の年」

 順調に行けば国内FA権も取得する。プロ野球選手として、現役生活の分岐点となる1年。日本屈指の右の長距離砲は自身の存在意義を証明しながら、今後の身の振り方も模索することになりそうだ。

 一軍定着までは紆余曲折があった。大阪桐蔭高では高校通算87本塁打。「平成の怪物」の異名を取り、超高校級と騒がれた。2008年高校生ドラフトでは4球団競合の末に日本ハムに入団も1年目はまったく結果を残せなかった。春季キャンプは一軍スタートもシーズンでは二軍生活。開幕後の6月には左手首骨折が判明。思うように行かなかった。

 プロ2年目には一軍デビューしたが、定着までは時間がかかった。転機は12年。栗山監督の就任と同時に、四番に指名された。同監督が「日本を代表する四番に育てる」と宣言し、言葉どおりに起用。結果が伴わなくても打線の軸に据え続けた。中田も期待に応えようと必死だった。その年、チームは4年ぶりのリーグ制覇。主砲として初の歓喜だった。

 13年のWBCでは侍ジャパンに選出され、今年の第4回も2大会連続で出場。主砲として実績と経験を積み、日本では希少な右のスラッガーとして成長した。気持ちにムラッ気はあるが、集中したときは誰も手が付けられない。プロ10年目の節目のシーズン。どんな成績を残し、どんな決断をするのか。大注目の1年となる。
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