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ソフトバンク 高橋純平投手・開けたプロ初先発への道

 


 その場内コールに敗色濃厚で沈んでいたヤフオクドームが、一瞬、沸いた。「高橋純平」。4月14日のオリックス戦だった。5点ビハインドの6回、3球団が競合した2016年ドラ1右腕に巡ってきた初登板の機会。将来のエース候補への期待も込めた歓声だった。

「結果的にはしっかり打たれたけど、たくさん、勉強することができました」

 3回6安打4失点と打ち込まれたものの、随所に才能が見えた77球でもあった。6回、先頭のT-岡田には真っすぐを右翼テラス席へ。初めての打者にきつい一発を浴びれば、気後れしそうなものだが、肝が据わっていた。なお一死一、三塁のピンチで小田、駿太を連続の空振り三振。7回も合わせ、4者連続三振に仕留める。最速は150キロをマークした。

 プロ1年目は体力強化のため1年間を二軍で過ごした。他球団のドラ1たちが全員一軍デビューを果たした事実に、自分へのふがいなさが募った。2年目はキャンプでA組(一軍)に抜てきされ、順調な成長曲線を描いている。「(直球を)内角に投げ切れるのはいい。反省する部分は反省し、次に結びつけてほしい」と工藤監督は戦力と認める。

 左ヒジの張りで離脱した和田、右肩違和感の武田と、先発ローテに故障者が相次ぐ事態。今回の一軍昇格は「お試し」の意味合いも強かったが、登板後、首脳陣は二軍での先発調整を命じた。プロ初先発のチャンスが近い証拠だった。「ここからスタートの気持ちで」。高橋の言葉にも力がこもっていた。
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