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楽天 森原康平投手・期待を上回る働き

 


 しびれる局面で、プロとしての第一歩を踏み出した。ドラフト5位ルーキー・森原康平のデビューは3月31日、オリックスとの開幕戦[京セラドーム]の7回に訪れた。濱矢がT-岡田に被弾し同点。梨田監督が「ピッチャー・森原」を球審に告げたのは、その直後。森原は堂々のマウンドさばきで、1回を無失点に抑えた。

 ルーキーらしからぬ落ち着きを見せたが、内心は違った。「人生で一番くらい、緊張しました。だけど、一発目がこれだけ厳しい場面で、これを乗り越えたらと思ってマウンドに行けたのがよかった」。社会人時代に身につけたという、開き直り。初登板をうまく乗り越えたことで、チームにしっかり溶け込むことができた。

 角度ある150キロ近い直球にスライダー、フォーク。制球もよく高いリリーフ適性を見せているが、社会人までは先発だった。リリーフに回ったのは、補強選手として出場した昨夏の都市対抗だけ。それがスカウトの目に留まり、プロへの道が開けた。「ブルペンの準備の仕方とか、そういうのがだいぶ分かってきた」という段階だ。

 ここまで11試合に登板して6ホールドと、開幕直前、「理想を言えばサブ(福山)が6回で、7回は森原となれば」と話していた梨田監督の期待を、大きく上回る順調な滑り出し。4月19日の西武戦(メットライフ)でサヨナラ打を浴び、プロ初黒星を喫したが、信頼度は揺るがない。「個人的には60試合登板」という目標に向かって、長いシーズンを戦っていく。
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