喜びとともに安堵感がこみ上げた。右手にウイニングボールを握り、
濱口遥大が本音をこぼした。「まず1勝目を挙げられて、ホッとしています……」。4月9日の
中日戦[ナゴヤドーム]でプロ初勝利。
ラミレス監督から祝福され「自分で勝ちをつかみにいく気持ちでした」と息をついた。ハイライトになったのは4回一死満塁。「今さら細かいコントロールで勝負できないので」と冷静になった。同じ新人の京田、木下を連続で空振り三振。ともにチェンジアップが決まった。「強気に攻めていくのが僕のスタイル」。プロで初めて150キロを計測した。116球、7回途中を1失点。左足がつって途中降板したのは、力を出し切った証しでもあった。
柳裕也(中日)と
佐々木千隼(
ロッテ)の抽選を外したあとのドラフト1位でも、地道にアピールを続けてきた。「走者を置いても球速が落ちない。けん制もうまいし、投手としての能力が高い」。直球とチェンジアップ、スライダーを軸とする本格派。
ラミレス監督の評価は落ちなかった。石田、今永と豊富な左の先発に肩を並べるように、セ・リーグの新人では唯一となる開幕ローテーション入りを果たした。
プロ初登板となった4月2日の
ヤクルト戦[神宮]では5回4失点。山田にバックスクリーンへ運ばれても「1球1球のボール自体は良かった」と収穫に目を向けた。反省をすぐに生かすのもさすが。投手陣の大きな柱になってくれそうだ。