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オリックス 平野佳寿・積み重ねた数字は“信頼”の証し

 


 僅差で迎えた9回、京セラドームの電光掲示板に「WARNING(警告、注意の意味)」の文字が躍る。たちまち沸き立つ右翼スタンド。平野佳寿の毎日の仕事はここから始まる。勝利が目前に迫ったマウンドで考えることは、いつも同じ。「1人ひとりしっかり抑えること」だけだ。ポーカーフェースで、捕手のミットをめがけて淡々とボールを投じる。そんな日々の積み重ねが、今季ひとつの節目を迎えた。

 4月25日の西武戦(ほっと神戸)、1点差の9回から平野は登板した。先頭の木村文に四球を与えたものの、続く炭谷を華麗なフィールディングで併殺に。二死から秋山の打球が右足首に当たる内野安打となるが、最後は源田を打ち取りゲームセット。プロ野球史上97人目となる500試合登板を、今季6セーブ目とともに飾った。「上には上がいますから」と謙遜したものの「やめたときにこれだけ投げたっていうのが残ったらいい」と登板数についてのこだわりを明かした。昨季、達成した通算100ホールド&100セーブに続き、守護神としてまた1つ名を残した。

 初選出となったWBCでは好リリーフを連発し、侍ジャパンの一員として貴重な経験を積んだ。他球団のWBC組には開幕後、調子が上がらない選手もいるが、平野はまったく変わらない。「確かに気持ちの入り方は難しかったけど、割り切りですね。もう10年やっているから」。そう話す33歳の表情は実に頼もしい。平野がいるオリの最終回のマウンドは要注意だ。
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