広島の抑えを務めているのが
今村猛だ。4月10日に守護神の中崎が故障で離脱。「右側腹部の違和感」で出場選手登録を抹消された。エースのジョンソンに次ぎ、クローザー離脱の緊急事態。そこでかつても代役守護神を務めた経験がある今村に、白羽の矢が立った。「やることは変わらない。いつもどおりに入っていく」と冷静に話し、仕事をまっとうしている。
ブルペン陣のなかでも兄貴的存在。淡々と腕を振り、仕事を果たす姿は信頼を集めた。一時は右肩の故障に苦しんだが、昨季は67試合に登板するなど復活。150キロに迫る直球に、スライダー、フォークを低めに集めた。イニングまたぎ、連投もポーカーフェースでこなす。ブルペン陣を1つにした安定感と心意気に、首脳陣は一番後ろを託した。
いきなり仕事をこなした。4月11日の
巨人戦[東京ドーム]が抑えとしての初登板。3点リードの9回に満を持してマウンドへ上がった。四球を1つ出したものの、打者4人を無安打無失点で2奪三振。「やれることしかできない。ケガ(中崎の離脱)は仕方ない。みんなで埋めていくしかない」と汗をぬぐった。
20日の
DeNA戦[マツダ広島]では2イニング目につかまって黒星を喫し「投げ急いでしまったかもしれない。修正が必要」と唇をかんだ。突然座ることになった守護神の座。それでも今村は表情を変えず、今日も淡々と腕を振る。やれることをやる。それに全力を尽くすだけだ。