揺るがない信念がある。A.
カミネロはいかなるときも、同じフレーズを強調する。「常に自分の全力を尽くす。丁寧にストライクを投げてアウトを取るのが、自分の仕事だ」
春季キャンプ直前に行われた入団会見で語ったときから何度も口にしてきた。シンプルな目標だが、カミネロにとってはそれがすべてであり、その姿勢が現在のパフォーマンスを支えている。
当初は、昨季クローザー転向2年目でリーグ最多の37セーブを挙げた澤村と、新加入のカミネロがその座を争うと見られていた。だが、澤村がまさかの離脱。3月4日の
日本ハム戦[札幌ドーム]で1球で危険球退場し、その後はコンディション不良で登板回避が続き、オープン戦で投じたのはこの1球のみ。開幕後もジャイアンツ球場での調整が続いている。
代わりにクローザーの座についたのが、メジャー通算149試合登板の実績を誇るカミネロだ。4月19日の
ヤクルト戦(鹿児島)では、8回一死一、三塁で投入され、投ゴロ併殺に仕留めるなど今季2度目の回またぎで6セーブ目。22日の
阪神戦[東京ドーム]の9回も3人で締めて7セーブ目を挙げた。
お立ち台では「とても楽しんでいる。セーブの機会にセーブをつけられるように頑張りたい。もっと球場に足を運んでください!」と上機嫌に叫んだ。8回の
マシソンとのコンビは安定感抜群。カミネロの補強は、今のところ大成功と言える。いつも陽気な豪腕が、9回のマウンドでは鬼と化す。