緊迫した試合終盤。「
井口資仁」の名前がZOZOマリンに
コールされると、球場は大きな歓声に包まれる。開幕から低迷するチームの中で、球界最年長42歳の存在は頼もしい限りだ。
今季初打席となった3月31日の
ソフトバンクとの開幕戦(ヤフオクドーム)では、7回に代打で登場するも和田の前に空振り三振に倒れた。しかし、続く4月5日の
日本ハム戦(ZOZOマリン)では押し出し四球を選んで今季初打点をマーク。ベテランらしく冷静にボールを見極め、チームの今季初白星に貢献した。
なかなか波に乗れないチーム状況から、伊東監督は「ベテランに頑張ってもらわないといけない」。4月12日の
オリックス戦(京セラドーム)ではスタメン出場を果たし、三塁内野安打で今季初安打をもぎ取った。全力疾走に「一生懸命走りました。“H”ランプがつけばなんでもいい」と安どの笑み。
「自分のプレーや行いを見られていると思う。若い選手が増えてきているが、僕がしっかりすることで、チームに刺激を与えられると思います」と話すその背中は、若手選手にとっても大いに学ぶべきものだったに違いない。
シーズン開幕前に首脳陣、選手、スタッフらが参加して行われた決起集会では乾杯のあいさつに立ち、「シーズンは長い。いいときも悪いときもあるけどみんなで頑張ろう」と呼びかけた。流れはきっと変わる。何よりも百戦錬磨の井口が控えていることは、相手にとっても脅威となっているだろう。