主力としてチームをけん引するべき
角中勝也が、あまりにも早く姿を消すことになってしまった。4月12日の
オリックス戦(京セラドーム)、初回の打席で右ワキ腹を痛めて負傷交代。翌13日に出場選手登録を抹消された。病院で受けた検査の結果は「右内腹斜筋損傷」で、全治4〜6週間という診断だった。
オープン戦期間中にも背中付近を痛めていたため、「100%ではなかった」と全力でスイングする土台が築けていなかったことも原因となっていた。離脱前までの成績は10試合の出場で打率.182、0本塁打、0打点と決して本調子だったわけではない。それでも昨季は首位打者と最多安打の2冠に輝いた安打製造機だ。ドッシリと座る打線の中心、チームの主軸だったことに変わりはなく、そう構想していた伊東監督も「軸がいない」と嘆くしかなかった。
離脱後は4月25日に屋外でのトレーニングを再開し、27日には負傷後、初めてバットを振った。もちろん、低迷するチームの現状は理解している。開幕からチーム打率は1割台が続き、特に得点力不足はあまりに深刻だ。
ロッテ浦和球場で汗を流す角中も、「(チームが)こういう状況じゃなくても早く戻りたい気持ちですが……、早く戻りたいです」と早期の一軍復帰に意欲を燃やしている。目標に掲げていた全試合出場はかなわなくても、まだチームを上位に押し上げるという使命がある。本来の力を見せる時間は、まだ多く残されている。