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ヤクルト 山田哲人・復活への号砲

 


 トリプルスリー男が苦しんでいる。ここまでヤクルトが乗り切れない大きな要因として、山田哲人の不調が挙げられる。4月終了時の成績は打率.191、2本塁打、8打点。4月下旬から5月頭にかけては6試合、27打席連続無安打も経験した。昨季は4月終了時点で打率.340、8本塁打、17打点と打ちまくっていただけに、その不振ぶりがうかがえる。本人は自身の状態を「体の開きが早い。上半身と下半身の動きがバラバラ。感覚がズレている」と分析する。

 昨季は終盤に厳しい内角攻めを食らい、背中に2つの死球を受けた。これが原因で自身初の故障離脱もした。今季はシーズン前に初めてWBCに出場。オフから例年より調整を早めた。侍ジャパンでは主力の1人として日本のベスト4に貢献。貴重な経験を積んだ一方で、大会の疲労の影響は否めない。モーションの異なる外国人投手との戦いでタイミングが狂っているとも考えられる。杉村チーフ打撃コーチも「(WBCの)影響はゼロとは言えない」と認める。それでも、日課のティー打撃は欠かさず、必死に修正を図る毎日だ。

 すると、5月に入り調子が上がってきた。5日のDeNA戦(横浜)ではバックスクリーンへ16試合ぶりの一発となる3号ソロを放つと、6日の同戦では右翼席へ4号2ラン。今季初の2戦連発となった。直球を三遊間に引っ張るらしい打球も増えてきた。「まだフォームが固まっていない。でも、いい打球が増えてきました」と背番号1。山田の季節はこれからだ。
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