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ソフトバンク A.デスパイネ・期待ふくらむ常勝軍団のニュー大砲

 


 来日4年目、ソフトバンク移籍1年目の今季、A.デスパイネの打棒はますます猛威を振るう格好になった。皮肉にも古巣ロッテが記録的な超低空飛行を続けるのを横目に、ホームランを量産。1号こそ時間を要したが、その後は右へ左へアーチを架け、本塁打と打点でリーグトップ争いを演じることに。入団会見で語った「ホームラン、打点で期待に応えたい」という目標を形にしている。

 中でも出色はホームランの中身だ。10号までを振り返ると、まず1号が一時逆転の2ラン。同点からの勝ち越し弾が4本。7号は敗色濃厚の9回に放った同点2ランだった。10本中8本が2点差以内の状況から飛び出している。「強い打球を打つ」という矜持がここ一番で光る。また引っ張り専門でなく、センターから逆方向への一発もあり、容易な配球パターンで攻められないことも大きい。

 日本ハムに歴史的な逆転優勝を許した昨季。V逸の要因は複合的ながら、李大浩を失って飛び道具を欠いたのは、相手に本塁打王・レアードがいたのと対照的ではあった。工藤監督が開幕から不振を極めた松田の復調を待てたのも、デスパイネの加入で打線全体としても機能は向上していたからだ。

 開幕40戦目、5月18日のオリックス戦(ほっと神戸)の10号で、年間本塁打数への期待感もふくらむ。過去最多は昨季の24本。それを超える30発はもちろん、球団幹部の「暑くなったらもっと打つ」との期待からすれば、その次の大台も十分にあり得る状況だ。
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