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ロッテ 鈴木大地・キャプテンの責任感

 


 鈴木大地が低迷するチームの中で、獅子奮迅の働きを見せた。オープン戦で打率.340を記録した勢いそのままに、3、4月は打率.321、10打点、3本塁打をマーク。これらの数字はいずれもチームトップだった。

 主将らしく、苦境を救った。開幕から4連敗で迎えた4月5日の日本ハム戦(ZOZOマリン)。1点を追う7回二死一塁で宮西から逆転弾を放った。待ちに待った今季の1勝目に「勝てないことは苦しいことだし、明日は勝ちたい、という日が続いていた。これでゆっくり寝られます」とホッと胸をなで下ろしていた。

 しかし、チームの勢いは簡単には上向かない。特に打線の状態は深刻で、チーム打率は1割台をさまよい続けた。それでも負けが先行する中、1人気を吐き続けた。4月28日の西武戦(メットライフ)からは四番に座った。昨季まで5年間で通算20本塁打。世間がイメージする「四番打者」像とはかけ離れている。だからこそ指名した伊東監督は鈴木を呼び「四番だと思って打たなくていい」と直接声を掛けた。外国人選手が不振を極め、角中も故障で離脱している中で「大地が軸」と期待した。

 胸には主将を意味する「C」マークが光る。チームを思う気持ちは誰よりも強く、責任感も強い男だ。敗戦後、本拠地のZOZOマリンスタジアムでもブーイングが響くほど厳しい序盤戦となったが、「どんなことがあっても必ずファンの皆さんと最後まで戦い抜きます」と真っすぐ前を見つめていた。
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