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広島 鈴木誠也・四番打者に君臨

 


 緒方監督の最大級のほめ言葉が印象的だった。「もう4番目とかは言えんよね。当たり前のように四番打者として、チームを救う一打を打ってくれる。頼もしい。本当にどんどん成長していくね」。

 言葉を向けられたのはもちろん若き主砲、鈴木誠也。5月10日の神宮でのヤクルト戦で存在感を発揮した。2本塁打を含む3安打5打点。1点を追う7回にヤクルトのルーキから逆転2ラン。4連敗中だったチームを救った。

 開幕は六番で始まった。2戦目から五番に座ると、4月11日の巨人戦[東京ドーム]で自身初の四番に座った。

「僕は4番目。打順が上がって、1回打席が多く回ってくるくらいの気持ちでやります」と肩に力はなく、いきなり3安打の活躍。翌日には五番に戻ったが、主砲・新井の休養日には四番に座った。

 風向きが変わったのは4月29日。新井、エルドレッドと同時出場する中で、鈴木の名前が四番に刻まれた。「後ろに2人がいてくれるので、つなぐ意識だけでした」。四番に座って初めての一発を放つなど、勝負強さも見せつけた。

 5月18日時点で24試合で四番に座り、92打数28安打、6本塁打、23打点、打率.304をマークしている。それでも当人の感覚はまだまだだという。「正直、調子はよくない」と漏らした時期もあった。もう4番目の選手ではない。まだ22歳の若きスラッガーは日々の経験を糧にしながら、主砲への道を歩き続けている。
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