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ヤクルト 中村悠平・頭脳、観察力の見せどころ

 


 交流戦のキーマンは、正捕手の中村悠平だ。リーグ連覇を狙いながら、5位に沈んだ昨季。チーム防御率が12球団ワーストの4.73と投手陣が打ち込まれるシーンが多くあったが、今季はここまで3.36(5月24日現在、リーグ3位)と大きく改善された。もちろん、雪辱に燃える投手陣の頑張りがあるが、中村のリードも大きな要因なのは間違いない。

 交流戦では、普段は戦うことのないパの強打者とのだまし合いになる。「シーズン中、何度も対戦するわけではない。(3連戦の)初戦で自分が感じたことを2戦目、3戦目につなげていくこと。データだけではなく、初戦である程度(相手打者の)傾向を把握しないと」。頭脳、観察力の見せどころになる。

 打率.187と極度の不振に陥り、終盤には正捕手の座を奪われた昨季。交流戦では17試合の出場でシーズン打率を大きく上回る.245、0本塁打、10打点だった。打撃フォームを見直した今季は、ここまで本塁打こそないが、打率.264、13打点(5月24日現在)と好調。打順も六番を任されることもある。トップの位置から素直にバットが出るようになり、右方向への巧打が今季の中村の特長の一つだ。

 交流戦でも“打てる捕手“として、打撃でも大いに貢献する覚悟を持つ。「打つほうは『初球から』という意識ですかね。オープン戦で対戦したことがあればいいですけど、そうでなければ、映像を見たり、パ・リーグで自分に似たタイプの打者への配球を見たりしたいと思います」と力を込めた。
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