檜舞台に上がる実力は十分にある。日本ハム不動のトップバッターを担う西川遥輝。2014年の盗塁王で昨季は初のベストナインも獲得。優秀選手賞を受賞した日本シリーズでは第5戦に史上2人目のサヨナラ満塁本塁打も放った。実力に見合う結果を残して一気に全国区となった活躍は記憶に新しい。今季もチームに欠かせない存在となっている。

　俊足とパンチ力十分のバッティングが魅力だ。単打で出塁すれば、盗塁で得点チャンスを作れる。ツボにはまれば長打もあり、本塁打も軽々と打つことができる。昨季は初の打率3割超えとなる.314をマークしたが、栗山監督は「遥輝の実力はまだこんなものじゃない」と、ハッパを掛けるほど潜在能力の高さを認めている。

　今季も徐々に調子を上げつつある。開幕直後はチームが不振の中で、西川も苦しんでいた。打率も2割台前半をさまよったが、ルーティンは崩さなかった。札幌ドームでの試合後はティー打撃を欠かさず行う。必死にバットを振って修正ポイントをつぶす作業は、どんな状況でも続ける。一皮むけた昨季から変わらない姿は5月に入ると少しずつ結果にも表れてきた。

　守備では中堅を任され、攻守でチームを引っ張る存在になっている。マスクの良さも重なり、攻守走で躍動する姿はスターの名にふさわしい。今季の球宴で全パは栗山監督が指揮を務めるだけに、ファン投票や選手間投票で漏れても監督推薦で初出場する可能性は十分にある。