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阪神 藤川球児・伸びのある真っすぐは健在

 


 全盛期の藤川球児の真っすぐは「火の玉ストレート」と称された。角度のついた真っすぐは、うなりを上げて打者の手元で浮いてくるようだった。

 本人は「ファンの方が三振に関心を持ってくれた時期もありましたからね」と振り返った。その片りんを見せたのは5月30日のロッテ戦(ZOZOマリン)だ。

 9回に登場して四番・角中から球速149キロのストレートで見逃し三振。史上146人目のNPB通算1000奪三振を記録した瞬間だった。

 プロ19年目。771回2/3での1000奪三振到達は、野茂英雄の871イニングを抜く史上最速となった。藤川もキレのある直球とフォークを軸に三振を奪ってきた。

 7年前の2010年7月30日の中日戦[甲子園]で156キロを計測。これが球児の最速。いわゆる「火の玉ストレート」の全盛期だった。

 プロ入りした1999年から毎年のように肩、ヒジを故障した。04年に当時二軍投手コーチの山口高志氏の直接指導を受けてきっかけをつかんだ。

 一軍投手コーチの中西清起氏の助言で先発からリリーフ転向。下半身を使ったフォームを手に入れた藤川は見違えるような直球を投げるようになった。

 今年は2年契約の最終年となっている。貴重な中継ぎ役を務めるベテランは「年間通していいパフォーマンスを見せること。チームの優勝だけを目指す」と頼もしい。
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