状況を問わず、ひたむきに投げ続けて不動の地位を確立しつつある。入団5年目の鍵谷陽平がフル回転中だ。チームが60試合を消化した6月14日時点で、すでに33試合に登板。昨季マークしたキャリアハイのシーズン48試合を大きく上回るペースでマウンドに上がり続けている。当然疲れもあるだろうが「いつでも行ける準備はしています」と頼もしい。　やや不安定だった内容も登板を重ねるごとに向上している。開幕当初は安打や四球で走者を許すことも多かった。150キロを超える直球で押すパワーピッチングが信条。制球が乱れて苦しむこともあったが、球威も取り戻してきた。「直球をストライクゾーンに投げられているのが大きいですね」と押し切るスタイルができている。

　勝ちパターンの一角でマウンドに上がる機会も増えてきた。相手打線が強打者に回る重要な場面を任されることも多い。そんな中で5月17日の楽天戦（盛岡）から登板12試合連続無失点も記録した。結果を積み重ねることで自信も深めてきており、ベンチの信頼も増した。展開を問わない起用にも黙々と投げ続け、今ではブルペンに欠かせないジョーカー的存在にもなってきた。

　最低限の目標に「50試合登板」を掲げる。最終的には「最後（クローザー）にと言ってもらえる投手を目指したい」と高い目標もある。ウエート・トレーニングで鍛えた屈強な肉体から強いボールを繰り出す北のタフネス右腕がチームを支える。