強じんな体を突き動かしているのは、強い責任感だ。キャプテン就任3年目の
坂本勇人は、2年目の2008年以降、9年連続で130試合以上に出場(うち6年は全試合出場)しているジャイアンツの“鉄人”だ。
3月に開催された第4回WBCでも日本代表の遊撃手として活躍。ペナントレースも開幕からチームを引っ張ってきた。
巨人は5月下旬から6月にかけて球団史上ワーストを更新する13連敗の泥沼にはまった。その直前、5月中旬から胃腸炎にかかり、体重がベストの84キロから3キロ以上も落ちた。打撃不振にも苦しみ、打率は一時の3割8分台から3割1分台まで急下降。それでもグラウンドに立ち続け、ナインを鼓舞し続けた。
6月9日の
日本ハム戦(札幌ドーム)では決勝打を放って連敗脱出に導いたが、翌10日に、慢性的な下半身の張りに加え、体調不良が重なり先発を外れ、フルイニング出場がストップ。その日は代打の出場のみとなり翌11日も欠場。「監督と話して大事を取った。長く離脱しないため」と険しい表情だった。
2試合の休養を経て、13日の
ソフトバンク戦(東京ドーム)から「三番・遊撃」でスタメンに復帰。3安打2打点で勝利の立役者になった。試合前には堤GMが低迷の責任を取って辞任し、鹿取GM補佐のGM就任が決定。「結果が出ていないのは選手にもすごく責任がある」と異例の編成トップ交代劇に沈痛な表情を浮かべた。苦しい時期を迎えているチームに、屈しない姿勢を見せる。