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阪神 メッセンジャー・勝利を追い求め腕を振る

 


 優勝争いを演じるチームにあって、投手陣の主軸はランディ・メッセンジャーだ。「常に自分のピッチングを心掛けている」。同じ右腕の藤浪が不調で苦しくなった投手の台所を支えている。

 日本球界はできるだけ球数を抑える省エネ志向だが、来日8年目の助っ人は「しっかりゲームを作ることのほうが大事だから」と投げまくるタイプだ。

 例えば、交流戦の6月8日のオリックス戦(京セラドーム)は2回を終えて58球も費やしてしまった。しかし、マウンドでの修正能力を見せ、粘り強いピッチングで5回2/3を2失点で切り抜けて7勝目を挙げた。

 実際、この試合で汗をびっしょりかいたメッセンジャーの球数は124球を数えた。来シーズンにも国内FA権を取得する男が日本で成功したのは「我慢する」ことを覚えたからだ。

 最近はコースに投げ分けて打ち取るスタイルで各打者からファウルで粘られるケースが目立っている。しかし、メッセンジャーはいやらしい攻撃にも忍耐の投球で勝ち続けてきた。

 開幕からの3、4月は3連勝を含む4勝0敗、5月は勝ったり負けたりの2勝1敗、6月も1勝を挙げ7勝でハーラーダービートップ争いに参戦している。

 金本監督も「悪いなりに抑える技術を持っている」と全幅の信頼を置く。メッセンジャーは「ストレスのたまるゲームもあるがチームを信じて投げる」とひたすら勝利を追い求めていく。
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