「中3日でもいける」。
ラウル・バルデスにとっては冗談でも何でもない。登板間隔は中6日が主流の日本球界にあって、5日、4日は当たり前。「しっかり準備さえしていれば問題ない」。39歳。球界最年長助っ人はフル回転を続けている。
ストレートは130キロ台序盤だが、持ち前の制球力で凡打の山を築いている。開幕から9試合連続でクオリティスタートを達成したが、わずか1勝と勝ち運になかなか恵まれず、野球ファンの同情を買った。するとネット上では「バルデスおじさんをオールスターへ送りだそう」などの『運動』に発展。オールスターの中間発表ではセ・リーグの先発投手で
巨人・菅野に次ぐ2位に浮上。それでも「今はチームに貢献することで頭がいっぱい」と話すのが何ともまじめなバルデスらしい。
スタミナの源はバナナだ。白米の上に乗せるほど大好きだ。来日当初はビジュアル的に周囲を驚かせることもあったが、いまではすっかりおなじみの定番が、短い登板間隔を支えている。
そんなタフネス左腕に森監督は「よく頑張ってくれている。中4日が一番良いと本人が言うけど、こっちとすれば2人分いる感じでローテを組める」とフル回転ぶりをたたえる。
「勝ちたいって気持ちはあるけど、良い投球をしてダメなら仕方ない。いつかはと思っていたよ」
この健気さが愛される由縁。バルデスおじさんがチームの屋台骨を支える。