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ソフトバンク 東浜巨・プロの意識で夏を克服

 


 夏男への進化を模索している。昨季、キャリアハイの9勝を挙げた東浜巨は開幕5連勝を果たした後、6月25日の楽天戦[koboスタ宮城]から約2カ月で2勝6敗と大きく負け越した。1年間先発ローテを守った経験のない男は夏の“壁”に跳ね返された。

「オフから夏に向けての準備は進めてきた。1年間ローテーションを守ることができる準備だけはしっかりとしてきました」

 工藤監督から課されている筋力、体幹トレーニングは昨季に比べ、3種類増やした。通常、先発投手は週に1度のブルペンを2度。スタミナを蓄積するべく、「今は野球以外のことをやっている時間が少ない」と真剣な表情を見せる。

 トレーニングだけではない。和田に教わり「独り暮らしだと、野菜が不足してしまうから」と今季から発芽玄米の粉末が混ざった健康飲料を手放さなくなった。もう5年目。野球に対する意識もまた、プロになった。

 今季は交流戦終了時点で11試合に投げ、6勝2敗、防御率2.57。すべての数字で昨季までの自分を上回る勢いを見せている。先発投手で最も責任あるとされる週頭の火曜日も任され、5月30日の中日戦[ヤフオクドーム]では4年ぶりの完投勝利までこぎつけた。6月23日の西武戦(同)では交流戦明け「開幕投手」を任されるまでになった。

「相手はエースばかり。まだ、自分に足りないところはある」

 まだ、完成形を見ない自分自身への期待。東浜は課題の夏を乗り越えるための準備を着々と整えている。
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