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広島 中崎翔太・新たな役割をまっとう

 


 中崎翔太の季節が来る。普段は決して見せることのない険しい表情。大汗をかきながら、剛速球を投げ込む。暑くなればなるほど力を発揮してきた。「任されたところで仕事をするだけ」。ポジションは違うが、今年もただただ任務を遂行するだけだ。

 クローザーだった昨季は7月、8月、9月に計27試合に登板。2勝1敗18セーブをマークした。7月、9月は7試合ずつ登板し、防御率は0.00。8月も13試合に登板し防御率1.46をマークした。驚異的な数字を残し、チームの25年ぶりの優勝に大きく貢献した。試合直後に汗をぬぐいながら取材に応じ「とにかく勝てて良かった」と話す姿を何度も見せていた。

 今季は開幕直後に背中を痛め一時離脱。復帰してからは7回を任されてきた。最終回を今村に譲ったが、6月は10試合に投げ防御率0.96。調子を上げてきた。交流戦明けのリーグ戦再開から、また立場を変えて戦うことも決まった。右腕にかかる比重は日に日に大きくなっている。

 交流戦でセットアッパーのジャクソンが打たれる傾向が強まった。畝投手コーチは「8回をザキに任せる」と明言した。

 7回を中田と一岡に託し、中崎をセットアッパーに指名した。昨季抜群の成績を残してきた夏本番へ、中崎が広島の勝利の方程式を支える形になる。

「任されたところでやるだけです」。リーグ連覇へ突っ走れるか。中崎が命運を握っていると言っても過言ではない。
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