捕手3人を使い分けながらシーズンを戦っている。今シーズン最もマスクをかぶっているのはWBCにも選出された大野。チームの主将兼選手会長の重責も担いながら強気のリードで投手陣を引っ張る。市川も緩急を絶妙に織り交ぜるリードは定評があるが、その2人に割って入っているのが
清水優心だ。
高卒3年目の大型捕手が台頭してきた。トップクラスの強肩を武器に一軍での経験を積んでいる。昨季まで2年間で6試合の出場しかなかったが、今季はすでに31試合に出場(6月29日現在)。スタメン出場の機会も多く得ている。次世代の正捕手筆頭候補として貴重な経験を積んでいる。
今シーズン初スタメンとなった4月12日の
ソフトバンク戦[札幌ドーム]は4対3で勝利。最後までマスクをかぶり、4投手をリードして1点差を守りきった。翌13日の同戦もスタメン出場。打撃ではプロ初打点を挙げ、守備でも再び1点差勝利に貢献した。「少ないチャンスなので、集中して自分ができることをしっかりやろうと思っている」と必死だ。
高橋信二コーチから徹底指導を受け、試合後の投手とのコミュニケーションの重要性なども教え込まれている。大野、市川という経験豊富な先輩2人も後輩に負けじと精進し、ブレークを狙う清水が泥臭く追いすがるのが現在の図式。扇の要を固定できていないという見方もあるが、競争心をあおりながらシーズンを乗り切る方法も、見る側にとっては面白い。