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西武 炭谷銀仁朗・エース誕生を後押しした背番号27

 


 今季、菊池が著しい飛躍を遂げている。その26歳左腕を新エースへと導いているのが、炭谷銀仁朗だ。プロ8年目、ついに昨季までのエース・岸(楽天)の後を継ぐ立場まで成長した背番号16への要求は開幕戦から高かった。

 3月31日の日本ハム戦[札幌ドーム]、4年ぶりの“花巻東高対決”として注目を集めた菊池対大谷。1打席目から執拗にインコースを攻めた。相手打者に内角を強く意識させることで、その後登板する中継ぎ投手、さらには2、3戦目に投げる投手が外角を使いやすくなる。「こういうのも、カード頭で投げる投手の役割なんだぞ」。エースの宿命をしっかりと伝えた。

 また、4月14日のロッテ戦(ZOZOマリン)では7回2失点の好投も、援護に恵まれず勝敗はつかなかった。試合後、年上女房は再び菊池を呼び、「エースとしての振る舞い方などを話した」という。そして実際、次の登板で完封勝利を飾るなど、その後の投球内容がより一層すごみを増したのは確かだ。涌井、岸と歴代エースの相棒を務め続けてきた経験を説くことで、今また、新たなエースの誕生を後押ししているのである。

 菊池に限ったわけではない。誰よりも早く球場入りし、相手対策などの準備に余念がない。その姿を誰もが知っているだけに、チームメートからの信頼も絶大だ。さらに今季は課題とする打撃も好調。不思議と、炭谷が安打を放つとベンチも盛り上がるため、雰囲気作りにも大きく貢献する。攻守にわたり、唯一無二の存在なのだ。
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