絶大な信頼が、チームに安定感をもたらしている。嶋基宏は首位を走るチームに、なくてはならない存在感を示している。4月29日には腰痛のため登録を抹消。それでも5月9日に一軍に復帰すると、試合中の負傷で3度途中交代したものの、離脱することなく一軍で戦い続けている。

　攻守に貢献度は高い。6月28日現在、打率は.223といま一つだが、打点17はすでに80試合に出場した昨季と同じ数字。守備では守備率.998、盗塁阻止率.316がいずれもリーグ3位と奮闘している。6月3日の中日戦[ナゴヤドーム]では、京田、亀澤と先頭で出た走者の二盗を見事に阻止してみせる。梨田監督も「2つ刺して試合が締まった」と絶賛した。

　リード面でも投手陣の信頼は抜群だ。今季好調の美馬は「気持ちよく投げさせてくれる。投げたいボールを要求してくれるから、気持ちが入りやすい。僕はテンポが早いほうだけど合わせてくれるし、気を使ってもらってる」。気配り目配りで投手陣の長所を引き出し、リーグトップのチーム防御率を実現させている。

　今季は春季キャンプ中に右ふくらはぎを痛めてしまい、WBCを断念。無念の思いからスタートを切ったが、チームに再合流した際には「日本一を目指して頑張っていきましょう」と切り替えていた。

　冷静さだけではなく、ときには一塁へのヘッドスライディングも見せる熱いキャプテン。優勝という大目標へ向かって、チームをもり立てていく。