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巨人 重信慎之介・レッドスターのように──。

 


 まだまだ成長途中だが、すでに職人技の域に近づいている。2年目の重信慎之介は、自慢の俊足で大きな存在感を示している。50メートルを5秒7で駆け抜ける俊足を買われ、主に代走の切り札として7月4日時点で44試合に出場。昨季までは“走塁のスペシャリスト”と呼ばれた鈴木尚広氏が担っていた役目だ。「去年よりも投手の動きを研究するようになりました。1つのリードや帰塁にも反省はあります」と、走塁の意識も1年目に比べてさらに高度な視点に変わってきた。

 今季は痛恨の盗塁死や、タッチアップを試みて惜しくも本塁で憤死する場面もあった。一方で、厳重にマークされた中でも盗塁を決める“プロの技”が光った試合もある。

 7月4日の広島戦[マツダ広島]では「二番・左翼」で先発起用され、0対0の6回一死から右前打で出塁。相手バッテリーから執ようにけん制されて警戒される中、二盗を成功させた(写真)。直後、坂本勇の適時打で決勝のホームを踏み、「いい攻撃の起点になれて良かった」と持ち味を発揮。ベンチから重信への盗塁のサインはなく、自分の判断でスタートを切ることを許されている。高橋監督も「積極的によく走ってくれた」と勝利の立役者をたたえた。

 それでも、若武者が目指すのは代走要員でなくレギュラーの座だ。課題の打撃克服への試行錯誤は続いている。元阪神赤星憲広氏のように打てて走れる打者が理想だ。球界最高レベルのスピードを武器に、定位置奪取を狙う。
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