ひと振りで見事に試合を引っ繰り返した。4月2日、
オリックス戦(京セラドーム)。開幕連勝を飾ったチームも、この日は7回まで0対4とリードを許し敗色濃厚だった。しかし、8回に5安打を集中して3点を返すと、9回にドラマが待っていた。二死二塁から、ペゲーロが逆転の中越え2号2ラン。見事に開幕3連勝を飾り、快進撃を続けた前半戦の流れを決めた。
オリックスの守護神・
平野佳寿を打ち砕く会心の一撃だった。1点を追う9回二死二塁。絶好調のペゲーロが打席に入り、後ろには開幕から安打が出ていなかったウィーラーが控えていた。カウント3―1。勝負を避けられるかとも思われたが、甘く入ったフォークを完璧に仕留めた。中堅5階席への特大弾で、勝負を決めた。
開幕3連戦で自らのポジションを決めた。当初は流動的な要素もあった二番・ペゲーロ。しかし、開幕3連戦で2本の決勝弾を含む12打数7安打4打点と驚異的な数字を残し、「恐怖の二番」として定着した。前半戦最終戦となった7月12日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)でも特大の20号決勝2ラン。チームの首位ターンに大きく貢献した。
前半戦を総括した
梨田昌孝監督も「打線では茂木とペゲーロ。一、二番が打線を引っ張ってくれた」と高く評価した。21本塁打、63打点は堂々のチーム2冠。投手の心ごと打ち砕くような圧倒的な飛距離で、後半戦も首位を争うチームを支えていく。
写真=佐藤真一