最大の武器であるストレートのキレを取り戻したい須田
必要とされるときが必ず来る。そのときを信じて
須田幸太は二軍でもどかしい日々と真摯に向き合っている。「呼ばれたときのために準備をするだけ」。横須賀市の二軍練習場で自らに言い聞かせるように話した。
開幕戦の
ヤクルト戦(神宮)で3失点。4月2日(同)はヤクルトの代打・鵜久森にサヨナラの満塁本塁打を浴びた。5月19日の
巨人戦(横浜)では延長10回に
マギーに決勝打を許し、敗戦投手に。翌20日に出場選手登録を抹消された。6月11日に再登録されるも13日の
ロッテ戦(横浜)で3失点し、14日に再び二軍落ちを味わった。
昨季は救援の柱としてチームトップの62試合に登板。開幕直後は蓄積疲労に加えて、昨季終盤に肉離れを起こした左太もも裏への怖さもあった。「踏み込めなかったのもある。慎重になっていた」とボールに全力を伝えられなかった。「言い訳しません。けど、落ちた試合(ロッテ戦)は力の20パーセントも出せていなかった感じ。力を出し切って打たれた感じではなかった」と悔しさをにじませる。
課題は直球。「真っすぐのキレを何とかしたい」と切実に話す。一軍の試合は結果だけを見ることが多いという。「(映像を)見たら焦るかな、と思って」。大逆転でのリーグ制覇へ勢いに乗るチームに加わりたい気持ちは誰よりも強い。「戻りたい。このまま終わったら、1年だけ、となってしまう」。救援陣に疲労がたまる夏場以降、須田の復活は必要不可欠。誰もが背番号20を待っている。
写真=小山真司