中村は伝統の背番号を受け継ぎ勝負の年を迎えている
背番号「8」はミスター・
ロッテの象徴と言われる。今季から伝統の番号を背負っているのが
中村奨吾だ。
2015年ドラフト1位で入団。昨季は開幕スタメンをつかんだが、108試合の出場で打率.201、6本塁打、25打点。まだまだ発展途上なだけに、昨オフの契約更改交渉の席で渡された「8」は、球団の大きな期待と言っていいだろう。
かつては
山内一弘が着け、ロッテオリオンズ時代の1969年から86年までの18年間は
有藤通世が背負っていた。また、05年からの11年間は、
今江敏晃(現・年晶、
楽天)が背負っていたことは記憶に新しい。中村にもチームの顔となるべき活躍が求められる。
しかし、プロ3年目の今季は開幕からつまずいた。わずか5試合を戦っただけの4月6日に二軍降格。5月3日に再登録されたが、8日には再度出場選手登録を外れた。それでも二軍で必死に汗を流し、6月17日の昇格後は主に三塁での先発出場を増やして、打撃面でも存在感を見せ始めている。
釧路で開催された7月25日の
日本ハム戦では、早大時代にともに汗を流した
有原航平からプロの舞台で初めて安打を放った。「意識している」とキッパリ言い切った存在からの安打は、自信を深める一打になったことだろう。
「偉大な番号をいただき、それだけ期待をされている。勝負の年」と位置づけて臨んだプロ3年目。少しずつでも、着実に前へ進んでいる。ミスター・ロッテへの道は始まったばかりだ。
写真=榎本郁也