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初代とは異なる役割を担う楽天・松井稼頭央

 

出番こそ少ないが、松井稼頭央の存在感は誰よりも大きい


 チームにとって大きな柱といえる選手だけが、この番号を背負ってきた。楽天にとって背番号7は特別な意味を持っている。現在、その番号を背負うのはレジェンド・松井稼頭央。今季は主に左投手の際のスタメンや、代走などでの出場が多いが、6月27日には9回に代打で同点打を放つと、そのまま約3年ぶりとなる遊撃守備について驚かせた。出場機会は限られてきているが、チームに落ち着きをもたらす存在感は、代えが利かない特別なものだ。

 楽天の初代・背番号7は山崎武司だった。球団創設時から、圧倒的な長打力で常に主軸を担っていた。2007年には43本塁打、108打点で2冠。初めてCSに進出した09年も39本塁打、107打点と文句なしの数字を残している。11年限りで楽天を退団すると、その番号は松井稼に受け継がれた。プレースタイルや打線の中で担う役割は違っても、若いチームの中で精神的にも中心となる姿は、両者に共通する部分だ。

 出番は少なくても、準備を怠ることは決してない。「途中からって結構難しい。たまにの試合ですけど、それまでの期間をしっかりしときたいなと思うようになりましたね。走ることもそうですし、ある程度自分の中で毎日やれることをちゃんとやった中で、出番が来ての結果だったら、また次も頑張れる」

 黙々と準備する姿は、すべての選手にとって大きな刺激となる。プロとしてあるべき姿を示す背中が、優勝を争うチームを引っ張っている。

写真=榎本郁也
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