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ヤクルト・山田哲人が直面する「ミスター」への試練

 

まさかの不振にあえぐ今季だが、その実力は確かだ



 若松勉池山隆寛岩村明憲青木宣親――。歴代のミスタースワローズが背負ってきた伝統の背番号「1」は、2016年から山田哲人が着けることになった。15年に史上9人目のトリプルスリーを達成。15年12月の契約更改の席で「前背番号1」の青木がサプライズで登場し、直接引き継ぎが行われた。「本当にうれしいです。背番号1に恥じないように頑張りたいと思います」。その言葉どおり、16年には史上初の2年連続トリプルスリーを成し遂げた。

 今季はここまで99試合で打率.231、16本塁打、53打点、12盗塁(8月6日現在)と不振にあえいでいるが、昨季まで十分過ぎるほどの実績を積み上げてきた。前述の2年連続トリプルスリーはもちろん、15年の日本シリーズでは史上初の1試合3本塁打。3打席連続本塁打は1970年に巨人長嶋茂雄が放って以来45年ぶりだった。通算2173安打の若松、今季日米通算2000安打を達成した青木らと比べても、負けずとも劣らない成績と言っていいだろう。

 今年3月には自身初めてWBCに出場した。主に「一番・DH」として、日本の4大会連続4強入りに貢献。2次ラウンドのキューバ戦では、先頭打者アーチを含む2本塁打をマークした。06年の第1回大会、09年の第2回大会に出場した岩村と同じように世界一にはなれなかったが、大きな経験を積んだ。「攻守走でチームの勝利に貢献できるように頑張ります」。歴代でもすべてがここまでハイレベルの選手はいない。真のミスタースワローズへ駆け上がる。

写真=田中慎一郎
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