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ヤクルト・バレンティン 記録よりも勝利を優先

 

得意の8月にホームラン量産を狙うバレンティン


 キングが波に乗ってきた。2013年にはシーズン最多記録を更新する60本塁打を放ったバレンティン。6月上旬には右太もも裏の肉離れで離脱したが、6月30日の阪神戦(甲子園)から復帰を果たすと、7月は12球団トップの月間11本塁打をマーク。7月25日の中日戦(神宮)から29日の広島戦(マツダ広島)にかけては、球団タイ記録となる5試合連続本塁打を記録した。「いいスイングになってきたし、打ち損じも減ってきた」と表情も明るい。

 リーグトップの中日・ゲレーロには4本差(8月12日現在)をつけられているが、夏場は得意としている。特に8月は13年に日本新記録の18本塁打。一気に追い抜く可能性は十分にあると言える。今年3月の第4回WBCでは、オランダ代表の四番として打率.615、4本塁打、12打点と大爆発。同大会のオールスター(ポジション別優秀選手)に選ばれたが、現在の状態はまさに当時と同じ絶好調。杉村チーフ打撃コーチも「集中力がすごいよね。WBCのときのようになっている」と目を見張る。

 それでも、本人は「記録よりも勝利につながる活躍がしたい。その上でホームランが打てることが一番」とフォア・ザ・チームを強調する。チームの打線も底の状態は抜けた。奥村、山崎といった若手の活躍も、背番号4の刺激になっている。「みんなに乗せられて打てるようになってきた。あとは毎日、13年当時の状態に戻れるようにやっている」。バレンティンのバットが、チーム浮上のカギを握る。

写真=桜井ひとし
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