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楽天はオコエ瑠偉しか頼れる男はいないのか?

 

チームが苦しむ中、孤軍奮闘と呼べる活躍を見せているオコエ



 何かを期待させる男が、一軍の舞台に帰ってきた。プロ2年目のオコエ瑠偉が、優勝争いから脱落しかけているチームに、必死でエネルギーを注入している。飛躍を期待された今季は、キャンプイン早々に右手薬指付け根付近のじん帯断裂が判明。手術を受けるなど大きく出遅れた。実戦復帰後は育成試合などで状態を整え、二軍でも25試合に出場。打率.317と結果も残し、8月4日にようやく一軍に登録された。

 一軍でも着実に結果を積み上げている。今季初出場となった4日こそ無安打だったが、5日のロッテ戦(Koboパーク宮城)から6試合連続安打をマーク。15日の西武戦(メットライフ)では、4回無死満塁から、同点とする走者一掃の左翼線二塁打を放つなど存在感を見せている。

 2年目の成長を証明している。2安打を放った6日のロッテ戦(Koboパーク宮城)後には「打球に強さと速さが加わった。(右前打も)去年であれば凡打になっていたと思う。感覚的で説明は難しいけど、打ちまくってつかんだもの」。パワー、技術の両面で、1年目とはまったく違う手応えが自身の中にある。

 24日のロッテ戦(ZOZOマリン)では9回に遠い親戚のあたる内から今季第1号本塁打。25日の日本ハム戦(Koboパーク宮城)では一時同点に追いつく適時二塁打。勝負どころでの集中力も研ぎ澄まされてきた。

 戦列に加わった昨年のドラフト1位に、梨田監督も「彼が出るとスリリングな走塁もあるし、ワクワクする野球を見せてくれる魅力がある」。進化を見せるバットに加え、もともと、守備と走塁は十分に一軍クラス。チーム状態が下降線をたどり、その活躍がなかなか勝利に結びつかないのがもどかしいところだが、躍動感あふれるプレーで前半戦の不在を取り戻したい。

写真=松田杏子
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