週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

オリックス・吉田正尚 故障離脱した悔しさを胸に

 

故障離脱の遅れを取り戻すように奮起する吉田


 出遅れた分も持ち味の打撃で取り返す。腰痛で約4カ月間、戦線を離れた昨季に続き、今季も開幕前に腰を痛めてしまった。

 2年目の目標は「1年間一軍で戦うこと」。ケガをしない体をつくるべく、オフにはアテネ五輪で金メダルに輝いた室伏広治氏に手紙で気持ちを伝え、トレーニングの指導を受けた。しかし今年こそ、と思った矢先、痛恨の離脱。必死で前を向き「早く一軍に上がる」という強い気持ちで約3カ月間のリハビリに耐えてきた。

 そして今、吉田正尚は一軍という大舞台で輝きを放っている。8月28日時点で36試合に出場し、すでに本塁打は昨季の10本に迫る9本。8月序盤には6戦連続でマルチ安打を記録するなど、規定打席未到達ながら.331と高い打率をキープしている。「ここ一番で打てる打者になりたい。良い打者はチャンスで返せるので。高みを目指したい」と、発言にも常に意識の高さを感じさせる。

 そんな24歳とは思えない落ち着きと堂々たる姿勢で、一番から三番まで任されたどの打順でも自分のパフォーマンスを発揮する。しかし、まだまだ満足はしていない。

 離脱期間中、チームは楽天と首位争いを演じたのちに急降下。現在追いかけるリーグ3位の西武の背中も遠い。開幕から吉田正がいれば、四番・ロメロとの主軸で相手に与えるプレッシャーも違ったかもしれない。離脱した悔しさと無念さ、そのすべてをバットに込め、残りのシーズンで一つでも多くの勝ちに貢献する。

写真=前島進
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング