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楽天・金刃憲人 ベテランの意地を見せるとき

 

打たれて顔をゆがめる金刃


 経験豊富な左腕は、一軍再昇格のときを待っている。昨季54試合に登板した金刃憲人は、今季わずか6試合の登板にとどまっている。キャンプ中に左ワキ腹を痛め出遅れ。イースタン開幕戦だった3月20日のDeNA戦(横須賀)で登板するなど、実戦復帰までは早かったが、一軍初昇格は7月に入ってからだった。

 7月8日に今季初の出場選手登録。「左に対してしっかり投げること。ただワンポイントだけは好きじゃないので、右にも結果を残していきたい」と抱負を語った。しかし、6試合に登板して防御率は16.20。28日のオリックス戦(ほっと神戸)では四死球で招いた満塁のピンチで、中島に満塁弾を浴びるなど結果を残せず、同31日に登録を抹消された。

 忸怩たる思いがある。今季はシーズン序盤に7回を任された森原、後半戦は勝ちパターンの一角を担う左腕・高梨、これまで27試合に登板している菅原とルーキーが中継ぎとして活躍した。

「悔しいですよね。新人にあれだけいいピッチングされて。中堅、ベテランの中継ぎ投手は僕と同じ思いだと思います」

 このまま、シーズンを終えるつもりはない。

 降格後はファームで登板を重ね、昇格のチャンスをうかがっている。「1年目、2年目のヤツにやられてたまるかという気持ちもある。ケガで投げられなかった悔しさを、ピッチングに出していきたい」。優勝争いも佳境。ベテランの力が必要な局面は、必ず来る。

写真=高塩 隆
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