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中日・福敬登 再びイチから信頼を築く

 

今季初昇格は大きく出遅れた福。左の救援として存在感を示したい


 たとえ苦しくても、気持ちだけは前向きでいようと努めた。「ちょっとリフレッシュです」。ボールを握れない時期も、福敬登はニコリと笑って自らに言い聞かせていた。

 二軍で迎えた3月下旬に左肩に張りを感じ、戦線離脱。一進一退を繰り返しながら、気が付けばもう夏に。試練のプロ2年目は終盤に差しかかった。

 今とは正反対に、新人だった昨季は手応えと未来への課題に生き生きしていた。開幕一軍入りを果たすと、5月にはチームの新人で初勝利一番乗り。夏場にかけて2度の二軍降格を味わったものの、通算27試合登板で1勝2敗4ホールド、防御率4.78。充実の秋も過ごし、欠かせない左の中継ぎになるはずだった。

 実戦から遠ざかること4カ月。7月25日のウエスタン・リーグのオリックス戦(舞洲サブ)で復帰マウンドが巡ってきた。「緊張はあったけど、ガチガチにならず、力みなく投げられました」。わずか5球だったが、1/3イニングを1安打無失点。「ここまで、だいぶ長かった」。不安なく腕が振れ、ムリのない笑みがこぼれた。

 一軍では左のリリーフ不足に首脳陣が頭を悩ませている。

「信頼はまったくないので、イチから築いていかないといけません。どんどん結果を出してアピールしていきたい」。

 8月25日には今季初昇格をつかんだ。結果を残し、勝負の3年目への助走とする。

写真=BBM
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