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沢村賞投手の意地を見せる広島・ジョンソン

 

離脱の借りを返すべく好投を誓うジョンソン


 ジョンソンはプライドを左腕に込めた。8月25日の中日戦。マツダ広島で8回2安打無失点の好投。7月12日のDeNA戦(同)以来となる5勝目をマークした。

「今まで何もチームに貢献できていない。これから先はしっかり試合を作って、できるだけ長いイニングを投げて勝利に貢献したい」

 もう先発ローテーションを離脱するのはゴメンだ。2016年に15勝を挙げ、外国人選手では2人目の沢村賞に輝いた男は、そう誓いを立てた。

 苦難の連続だった。開幕投手に指名されたが、開幕戦直後に体調不良を訴えて離脱。咽頭炎から来る体調不良が長引き、約2カ月半にわたる離脱を余儀なくされた。

「非常に苦しい時間だった」

 その後交流戦で復帰したものの、今度は左ハムストリングスの筋損傷で再びの離脱となった。当然、ジョンソンだけではなく、チームも大黒柱不在には手を焼いた。実績のある投手が昨季16勝の野村と14年新人王の大瀬良しかいない状況。それでも薮田や岡田の台頭で勝ち続けたが、ジョンソンの復帰を待つ声はファンからも多く聞こえた。

 だが、そこは競争の世界。二軍で投げ始めることが復帰ではなく、ベースカバーやフィールディングなども完璧にこなさなければ一軍のマウンドに上がることはなかった。満員のマツダ広島で投げる喜びも再認識した。

「一軍のマウンドは気持ちいい」

 これ以上の離脱はない。続く9月1日のヤクルト戦で今季6勝目をあげた。歓喜へのラストスパートに一役買う。

写真=BBM
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