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ファンを魅了し続ける巨人の“四番”阿部慎之助

 

勝負強い打撃で四番を張る巨人阿部慎之助


 休息のときは、まだまだ訪れそうにない。阿部慎之助は38歳になった今季も、四番としてチームの勝敗を背負っている。

 9月6日時点で、チームが消化した123試合のうち90試合に四番で先発。コンディション不良のため9月5日の中日戦(松本)で途中交代し、翌6日の同カード(前橋)は欠場したが、CS出場を狙う後半戦は四番起用が続いている。2007年に第72代四番を務めて以来、長い間、座り続けてきた。阿部は“四番打者”について、こう語る。

「四番って(チームの勝利を含めて)いろいろなことを求められる。野球って不思議なんだけど、大体四番には最終回とかいいところで回ってくるんだ」

 伝統球団の主砲を務める重圧と戦い続け、大打者に上り詰めた。17年目の今季、新たな勲章が加わった。8月13日の広島戦(マツダ広島)の9回に右前打を放ち、チーム生え抜きでは球団史上5人目、今世紀のドラフト入団選手では球界初となる通算2000安打を達成した。巨人ファンのみならず、敵地の広島ファンからも慎之助コールを浴び、「なんか不思議な1日。本当なのかなと、実感もない。そんなにすごいことをやっちゃったのかな」と感慨に浸った。

 通算388本塁打は現役選手では最多なのだが、2000安打のうちの約2割が本塁打という数字に、他球団の投手が阿部を恐れる理由がある。巨人で四番に座ることについて「そういう夢を追いかけて、頑張っている野球少年もいる」と重みをかみしめる。頼もしい巨人の四番打者は、豪快な打撃でこれからもファンを魅了し続ける。

写真=BBM
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