初勝利を挙げて4年目の成長を示した鈴木
すっかり5位が定位置となり、来季に向けての戦いが続く
中日。そんなチームにおいて今季最も飛躍したと言ってもいいのが
鈴木翔太だろう。
2014年にドラフト1位で聖隷クリストファー高から入団。昨季までたび重なる故障の影響もあり、未勝利だった。
それが5月8日の
DeNA戦(長良川)でプロ初勝利をマークすると、前半戦だけで5勝を挙げた。地元・浜松での開催となった6月27日の
阪神戦では、凱旋勝利。「今まで本当に何もできなかったので、何としても結果を残したかった。成長した姿を見せたかった」。お立ち台では思わず涙がこぼれ落ちた。
しなやかなフォームには定評があったが、その器に合った直球が投げられるようになった。
「縦に強く振る。それが少しできるようになった」
130キロ台中盤だった真っすぐがコンスタントに140キロ台を計時するようになった。きれいな真っすぐは相手打線の脅威となった。
ただ、それだけで勝ち続けることができないのがプロの世界。7月23日の
広島戦(マツダ広島)で炎上すると二軍落ち。その後8月8日の広島戦(ナゴヤドーム)で勝ち負けはつかなかったが、7回1失点と力投。リベンジを果たしたが、次の登板で左太ももを痛め緊急降板した。
酸いも甘いも経験した17年シーズン。「すべてを生かしたい」。来季に一本立ちの期待がかかる。
写真=BBM