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日本ハム・西川遥輝 3年ぶりの盗塁王奪回へ突っ走る

 

不動のリードオフマンとして輝きを放つ西川。スピードでも相手バッテリーの脅威となっている


 西川遥輝にとって2度目の栄誉が視野に入ってきた。9月27日現在で38盗塁はパ・リーグ第1位。2位の西武・源田と3個差と接戦だが、まさにラストスパートの時期にさしかかっている。盗塁王に輝けば、2014年以来3年ぶりの奪還。チームきってのスピードスターが2度目のタイトルホルダーに返り咲く。

 内容も濃い。ガムシャラに走っているわけではない。試合展開を読み、カウントや相手投手の球種、打者との兼ね合いもすべて的確な状況判断でスタートを切り、失敗は5個と極端に少ない(成功率.881)。これは両リーグで20個以上を決めている選手の中では最も高い数値で、いかに質の高い盗塁を重ねているかが分かる。

 リードオフマンとして相手に理想的なプレッシャーの与え方だ。単打で出塁すれば、相手投手は盗塁をケアする必要に迫られる。細心の注意を払わせながら、そのスキを突く。敵に精神的ダメージを負わせることで味方打者にも好影響を与えられる。今季は131試合消化時点で82得点。果たしてきた役割の結果が数字に出ている。

 前回、盗塁王に輝いた2014年は143試合フル出場で90得点したのがキャリアハイ。残り試合でも質の高い盗塁を積み重ねれば、得点でも自身の記録を更新する可能性も高い。今シーズンは開幕からチーム状況が良くない中でトップバッターとして奮闘してきた西川。ファンを魅了する天性のスピードでダイアモンドを疾走する。

写真=高原由佳
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