一軍デビュー戦でしっかりと自慢の快足を魅せた曽根
衝撃の「足」だった。開幕前の3月24日に育成選手から支配下選手登録されたプロ4年目・
曽根海成の出番が回ってきたのは、7月27日の
楽天戦(Koboパーク宮城)だった。
8回二死、左前打を放った
デスパイネの代走に起用され、一塁ベースに立つ。続く
中村晃の三塁内野安打でそのプレーは起きた。ボテボテの当たりだったが、三塁の
ウィーラーが定位置より下がって処理したために一塁はセーフ。一塁へ送球した瞬間、隙を突いた背番号69はなんと一気に三塁を陥れてしまった。
「狙っていました。ウィーラー選手が一塁へ投げる前には(三塁へ)走った。井出(竜也二軍外野守備走塁)コーチのおかげです。プロの一歩をちょっとだけ踏み出せた」
2014年育成ドラフト3位で入団し、背番号は140だった。非力な打撃をカバーする50メートル5秒9の快足と堅実な守備で2ケタ背番号をつかんだ。
7月13日に行われたフレッシュオールスター(静岡)では、両チーム唯一のマルチ安打となる2二塁打し、育成出身選手では史上初のMVPを獲得。二軍でも打率2割のラインを往復する課題の打撃を克服する兆しは、徐々に見えてきた。
今季は2試合で3打数無安打1三振(9月28日現在)。持ち味の足を生かした盗塁をするための「出塁」はできなかった。
「目標は日本を代表するような選手になること。(自主トレの師匠)今宮(健太)さんを越えるショートになりたい」
千賀滉大、
石川柊太、
甲斐拓也と2年ぶりの優勝を支えた要因の一つである育成力。この男もまた、その可能性を秘めている。
写真=BBM