伝家の宝刀・スライダーを駆使し43HPで最優秀中継ぎも獲得したマテオ。来季再契約をすれば来年の阪神中継ぎ陣も盤石だ
来日2年目の進化を見せたのはマルコス・マテオだ。本人が「得意球だ」と言ってはばからないスライダーが冴えたのが大きかった。
「今年はさらに低めを意識したのと、変化球が抜けないように心掛けたのが良かった。チームに貢献できたと思っているよ」
10月1日の
巨人戦(東京ドーム)では、2007年のウィリアムスに並ぶ43HP(36ホールド)に到達。昨季は抑えで52試合に登板し、1勝3敗20セーブで8HPだった。中継ぎの今季、さらなる進化を遂げた。
2種類のスライダーを操るマテオ。1つは鋭く大きく滑るように曲がり、もう一つはタテに落ちるような軌道を描く。1年目も同じように投げていた球種だが、コントロールの正確性に欠け、打者に見極められるケースが多かった。
独特のフォームで体をひねって、長いリーチを伸ばし、スリークオーターで投げてくる。150キロ台の直球と合わせて迫力あるピッチングでねじ伏せてきた。
その宝刀スライダーをとらえられたのは、 初球宴となったマウンドで左の
日本ハム・西川に右越え2ランを決められたぐらいだった。
夏場に一度、腰の張りのためファームでリハビリを強いられた以外はほぼフル回転。セットアッパーとして安定感抜群の投球内容を示し続け、同僚の桑原とともに最優秀中継ぎも獲得した右腕に、金本監督も「あのスライダーは一級品」と頼もしげだ。先日、帰国したマテオは「来年パワーアップして帰ってくる」と語っており、来年のさらなる進化が期待される。