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ヤクルト・秋吉亮 進化した必殺の変化球/伝家の宝刀

 

研究を重ねた末に現在のスライダーを手に入れた秋吉


 秋吉亮のスライダーは「真横」に大きく曲がる。グラブをはめた左腕の使い方が独特で、「でんでん太鼓投法」と呼ばれる変則のサイドスロー。投球を支えるのが、自信を持つスライダーだ。「少し曲げるものもあれば、大きく曲げるものもあります。自分(の感覚)で(変化量を)調整できるし、ストライクが欲しいときもカウントが取れるし、(追い込んでから)勝負もできる。本当に自分の中心になる球ですね」

 3年夏には東東京大会で4強入りした足立新田高時代、球種は直球とスライダーの2つだけ。上の世界でも生き残るため、自分の感覚を頼りに研究を重ねた。「(リリースの瞬間)自分は『切る』感じで投げています」。プロ入り後は、同じ横投げの高津投手コーチ(現二軍監督)らにアドバイスを受けた。「プロに入ったときは投げ始めから(曲がりを)『デカく』という感じだったんですけど、真っすぐと(スライダーで)同じ軌道にしたほうがいいと教わって、出だしの軌道は変えましたね」。必殺の変化球は大先輩たちの経験が加わり、進化を遂げた。

 守護神として臨んだ今季、6月30日の阪神戦(甲子園)で右肩甲下筋の肉離れにより離脱。プロ入り最少の43試合の登板に終わった。だが、復帰戦となった8月31日の阪神戦(同)では7回から登板し、先頭の坂本からスライダーで3球三振を奪うなど3者凡退。5勝6敗10セーブ、防御率3.35の成績だった。来季こそ、リリーフエースの活躍は欠かせない。

写真=田中慎一郎
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