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失った時間を取り戻すオリックス・小林慶祐/即戦力と言われて

 

打球が右まぶた付近に直撃するアクシデントも、驚異的な回復を見せた小林慶祐。現在は意欲的に練習を行っている


 指揮官からの賛辞が、即戦力としての合格点を表していた。「近藤(大亮)や黒木(優太)や小林(慶祐)。1、2年目の若い投手が頑張ってくれた」。今季を振り返る中で、福良淳一監督は名前を出してルーキーの健闘を称えた。

 最初の目標に掲げた開幕一軍入りは逃したものの、フタを開けてみれば35試合に登板して2勝1敗、防御率3.98。どんな展開からでも任せられる器用さと、新人とは思えぬ冷静さを持ち合わせ、1年目からチームの期待に応えた。

 東京情報大から日本生命を経てドラフト5位で入団。187センチの長身で角度のあるボールが武器だが、プロ入り後は自身の投球スタイルに悩んだ時期もあった。

 それでもひたむきに練習を重ね、フォークなど変化球に磨きをかけた結果、7月以降は一軍に定着。1年を通して成長を見せた選手の1人だ。素質を見込まれ、来季は先発に挑戦することも決まっている。

 不運にも打ち勝った。9月30日のソフトバンク戦(京セラドーム)に2番手として登板した際、高谷裕亮の打球が右まぶた付近を直撃。球場内に入ってきた救急車で搬送され、8針を縫うケガを負った。

 それでも1週間休養したのみで練習を再開。「日ごろの行いのおかげですかね」と、驚異の回復力で10月19日に先発としてフェニックス・リーグに合流した。

 すると、失った時間を取り戻すかのように「もっと投げたいです」と意欲を見せる右腕。プロ2年目となる来季、開幕ローテをつかむため、小林の挑戦はすでに始まっている。

写真=太田裕史
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