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オリックス・武田健吾 充実の1年を力に変える/来季こそ主力に

 

今季、プロ初本塁打を放つなど、ブレークの兆しを見せた武田健吾。来季はフルシーズン、一軍で戦い抜く


 約10倍、この数字が今季の成長ぶりを表している。

「10試合から一気に97試合ですよ? 良い意味で変化した、充実した1年でしたね」

 そう話す23歳は、うれしそうに笑みを浮かべた。これまでの4年間で最多出場は昨季の10試合。毎年期待されながらも、力を発揮できず二軍生活に甘んじていた。

「上げてもらっても『また打てなかった……』の繰り返しでした。それが今年は上がってすぐに打てて率も残せたので、手応えがありましたね」

 背水の覚悟で挑んだ高卒5年目、その決意は自己最多を大幅に更新する97試合という結果になって表れた。

 スタートダッシュが効いた。開幕一軍入りこそ逃したものの、4月12日に昇格すると、自身の誕生日だった18日には今季初安打&打点を記録した。そして同20日は、うれしいプロ初本塁打。先発出場の機会を自らのバットでつかみ取った。

 昨オフはT-岡田らと自主トレを行い、一軍で活躍するための教えを請うた。その結果「バットを短く持って速い真っすぐに対応できるようになりました。今までの4年間の悔しい気持ちをぶつけました」と打率も.295と高い数字を残した。

 来季の目標は1年間一軍帯同だ。今季終盤に右手中指を骨折。現在は左手だけで打撃やノックの練習を積んでいる。来季開幕には間に合う見通しで「ずっと一軍に居続けたい。チャンスに強いバッターになりたい」と力を込めた。

 今季、手が届きかけた定位置の座、来季こそしっかりモノにしたい。

写真=石井愛子
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