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DeNA・乙坂智 分厚い壁に割って入る/来季こそ主力に

 

阪神とのCSファーストステージ第2戦では値千金の代打3ランを放った。現在はメキシコのウインター・リーグで武者修行中だ


 セ・リーグ3位からクライマックスシリーズ(CS)を勝ち上がり、日本シリーズでも大健闘した。充実期を迎えているDeNAで、乙坂智の存在を忘れてはいけない。

「大事なのは、しっかりと振る勇気。1打席に対する準備は自分の中でできていました」

 浮かれることなく、厳しい表情で振り返ったのはCSファイナルステージ第2戦の広島戦(10月20日、マツダ広島)だ。2対1と1点差に迫られた直後の5回、二死満塁。初球から積極的に狙い、広島・野村祐輔の直球を中前へ2点適時打を運んだ。

 阪神とのファーストステージでも代打3ラン。捕手の高城俊人を代え、早めに勝負をかけたラミレス監督から「No.1のピンチヒッターだ」と最大級の褒め言葉をもらった。

 左翼・筒香嘉智、中堅・桑原将志、右翼・梶谷隆幸。ここ数年で外野のレギュラーは完全に固定され、割って入るには高く、分厚い壁になった。

「1日1日、1球1球をムダにしないこと。自分にできることをやるしかない」

 プロ入りしたのは、新球団としてDeNAが誕生したのと同じ2012年。少しずつ、でも確かに成長を続けている。14年には代打でプロ初打席初本塁打の離れ業。何かをやってくれそうなオーラも備わってきた。

 今季は自己最多の83試合に出場し、打率.190、2本塁打、3打点。当然数字にはまったく満足していない。日本シリーズ終了後には、単身でメキシコのウインター・リーグへ武者修行に出発。ブレークする日は近そうだ。

写真=前島 進
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