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ヤクルト・山田哲人 奇跡を起こす準備/秋の収穫

 

全体的なレベルアップをテーマに掲げた山田



 巻き返しへ、山田哲人が“地獄の秋季キャンプ”を過ごした。2015、16年と2年連続でトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成した球界のスター。だが、今季は打率.247、24本塁打、14盗塁と不振に陥った。ほかの選手ならば決して低い数字ではないが、期待が大きい分、かかる重圧も大きくなるのだ。

 愛媛・松山での秋季キャンプには3年ぶりの参加。「今年に限っては全体的に。今年の結果を踏まえて、自己分析をして、自分に何が必要かなと考えて、全体的という結果になった」と全体のレベルアップを目標に掲げていた。

 秋季キャンプでは、かつてともにプレーした宮本ヘッドコーチから、徹底指導を受けた。約1時間の間に4カ所を回るローテーションノックでは、宮本コーチから「リタイアしてもいいんだぞ!」と厳しい声が飛ぶ。打撃でも指導を受け、放心状態の山田哲は「過去一番の練習だと思う」と本音を吐露した。だが、日を重ねるうちに、追いつけていなかった球も捕れるようになり、宮本コーチからも「いいぞー、山田!」との声が上がることも増えていった。

「球際でもうひと伸びしないと。今年はそういうのを何度も見た。最後の最後までやらないと奇跡は起きない」と宮本コーチ。成長してほしいからこそ、厳しく指導するわけだ。山田哲も「ギリギリのところを捕ってアウトにできればいい」と前を向く。打撃だけでなく、守備や精神面もレベルアップさせ、来る18年に備える。

写真=井田新輔
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